HSTが2月17日から21日にかけて掃天観測用高性能カメラ(ACS)でとらえた紫外線波長でとらえたオーロラ。 木星のオーロラには,衛星の1つ・イオが関与している。イオの活火山は酸素や硫黄のイオン(電気を帯びた粒子)を吹き出し,木星の磁気圏を満たしている。イオンは磁力線に乗って木星の北極や南極に集まり,太陽風と衝突することでオーロラが発生するのだ。
一方,木星の磁気圏全体は太陽風に押され,太陽と反対の方向へ「しっぽ」のように伸びている。イオンの多くは「しっぽ」に沿って移動し,徐々に流出するとされている。ニューホライズンズは木星を離れてからも,しっぽの中を移動し続け,イオンの濃度などを測定する予定だ。今回観測されたオーロラとともに,木星周辺における物質の移動や反応を具体的に把握する手がかりとなることが期待される。
なお、木星のオーロラのエネルギーは,地球のオーロラの1000倍も強く,その生成メカニズムの詳細を明らかにすることは、研究者の課題の一つとなっている。(AstoroArtsより)
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